【Kindle Unlimited】銀河戦国群雄伝 ライ―強い女は好きですか?【漫画】
昔から漫画でもゲームでも昔から肉体派の女の子が好きなんですよね。「ダイの大冒険」ではレオナよりマァムが好きだったし、「ドラクエIV」はアリーナびいきです。
自分ももし戦うことが当たり前の世界に生まれたら、めちゃくちゃ強い戦士になりたい。子どものころ、そんな空想をよくしました。
「銀河戦国群雄伝ライ」は、そんな私の願望を具現化したような強い女子がいっぱい出てくるファンタージバトル漫画です。全巻がKindle Unlimitedの対象になっています。また、このレビューにはネタバレが含まれますので、閲覧にはお気をつけください。
戦国×三国志×SFの世界
この漫画の主人公は竜我雷(通称ライ)というひとりの若者。ただの一兵士だった彼が功績を立て、軍隊の中で地位を得てやがて皇帝になるという、王道サクセスストーリーです。
世界観は、戦艦が宇宙空間を行き交うというSF要素がありつつ、兵士たちは戦国時代のような鎧を着込み、最終的には武将同士が1対1で刀を交えるという独特のもの。中国の「三国志」や「史記」に日本の戦国時代の要素をくわえ、仕上げにスペースファンタジーで味つけしたといった感じです。
「リアルじゃない」「物理的におかしい」みたいなツッコミをする人はいると思うんですけど、それはヤボってもんでしょう。これは細かいことは置いといて楽しむ漫画です。
戦う女子がカッコイイ
物語の舞台が戦乱の世の中なので、全編を通していろんな人たちが武力と知力で戦っているわけですが、そこに強い女性がいっぱい出てくるところがこの漫画の1番の魅力なんじゃないかと思ってます。
強い女性の代表格が、ライを最初に見いだして登用した狼刃将軍と、生涯の宿敵である独眼竜正宗。
もともとライの上官であり、やがて敵対することになる狼刃将軍は、結果的にライに敗れはするものの名将軍としてのちのちまで語り継がれます。そして一国を治める独眼竜政宗は、「時の利」を得ることができなかったものの一時は銀河の覇権に手をかけるまでに上りつめた女武将です。
彼女たちは強い信念を持ち、知略にも長け、個々の武力も引けをとりません。似たような立場の男性キャラは幻覚に悩まされたり政略にハマったりと情けなくて弱い部分も描かれるんですが、狼刃将軍や正宗は酒を飲む姿から死にざままですべてがカッコイイ。
このほか、ライの奥さんや側室(!)などなど戦わない女性も出てきますが、武芸のたしなみがあったり精神的に強靱だったりして基本的に女は強しな価値観が全編に浸透しているのを感じます。
多分、作者が強い女が好きなんでしょうね~。
それに比べ、最終的にライと銀河の覇権を争うのは羅候(らこう)という虎耳男子なのですが、彼には傲慢なところや精神的に未熟な一面もあって、小物感が否めません。でも、ビジュアルがキュートなので許せちゃうんですけど。
キャラクターのフェチ度が高い
女武将のほかにもイケメン軍師をはじめ次々とキャラクターが登場し、とにかくキャラのバリエーションが豊富。猫とか虎とか竜とかの顔を持ちながら人間のように二足歩行する動物ぽい人種(?)がいっぱい出てきます。そういえば、このころの漫画ってこういう獣っぽい人が普通に出てくるのが多かったような。「ドラゴンボール」の市長さんも犬だったし。こういう漫画でケモナーに目覚めた人は多いんじゃないかと勝手に推測してます。
マニアっぽさと王道ストーリーがいい具合にブレンドされている
この漫画、実は中学生のころに友だちの家で途中まで読んだことがあったんです。でも大人になってから読んだほうが断然おもしろいですね。戦闘シーンよりもキャラクターの性格や考えが出る政治パートや日常パートに魅力を感じます。
絵柄は90年代のアニメっぽさがあり、ちょっとマニアックな印象はあるものの描き込みが細かく、戦国武者の甲冑とかもていねいに描かれているので画面に対する満足度は高いです。
それから、登場人物の多さとスケールの大きさは大河ドラマ並み。ほとんどの人が歴史の渦にのまれて死んでいきますが…。90年代の懐かしい雰囲気を味わいつつ、いつの時代でも通用する王道ストーリーを楽しめる漫画です。
銀河戦国群雄伝ライ(全27巻+番外編1巻)
著者:真鍋譲治
出版:ゴマブックス
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